進学塾、学習塾、中学、高校、大学受験、代々木進学ゼミナール

各種資料請求 | 講師募集

Home > お知らせ > 平成30年度 都立国語を振り返って

平成30年度 都立国語を振り返って

ブログをご覧の小学生・中学生・高校生の皆さん

ご入学・ご進級おめでとうございます。教務部のMです。

 

さて

中学生・高校生は思春期真っ只中だとよく言われます。

思春期とは

一言で言うと

子どもから大人への過渡期です。

体の成長も著しいですが

心も同様に大人へと日々成長していきます。

今回の都立入試(共通問題)の国語の小説は

そんな思春期の人間模様が感じられる大変良い内容になっておりました。

 

今回の小説の主人公は

陸上部に所属する中学一年生の「わたし」です。

「わたし」の同級生の上野は

小学校時代からの仲でしたが

上野は部活に入らなかったこともあり

それぞれ別の友人の輪に入ることが多くなってきていました。

 

 

ある日の教室で

熱心に辞書を読む上野に対し

「わたし」は「お前、汚い辞書使ってんな。」と言ってしまい

激しい後悔に襲われます。

確かに

四隅もぼろぼろで手垢で汚れた辞書でしたが

上野は「母さんがくれたんだ。」と言い

それを目を輝かせながら読んでいたのでした。

その後

「わたし」は何回か会ったことのある上野の母に思いをめぐらせましたが

なぜ上野が母からもらったぼろぼろの辞書をあんなに目を輝かせながら使っていたのかまだ理解できませんでした。

 

しばらく時がたち

美術の授業の場面でまた上野の辞書が登場します。

上野は美術の授業で描く絵の題材

その辞書を選んだのです。

「わたし」は

なぜあのみすぼらしい辞書を題材にしたのかと疑問を抱き

さらにその辞書を題材にしたのは私が「汚い辞書」とけなしたことに対する報復ではないかとまで思うようになります。

 

思春期における友人関係は

ただ単に遊び合ったり

ふざけ合ったりする関係を脱していきます。

時には

他人を過剰に意識したり

自分を過剰に意識したりして悩み

傷つきます。

そうして子どもを脱し

大人へと変化を遂げようとするのです。

主人公の「わたし」もまさに子どもを脱し

大人へと変化を遂げようとする真っ最中です。

 

最後の場面では

美術室前の廊下で完成した上野の絵を眺めながら

辞書の汚れが指紋の形をしていることに気付き

さらに辞書のまわりの光の筋のようなものが

辞書に何度も手を伸ばしてきた残像であると気付きます。

そのときには

もう単なる「汚い辞書」ではなく母から子へと受け継がれていった辞書と感じ

深い感慨に至っています。

 

そうして

「わたし」は子どもから大人へと一歩近づきました。

この後は

どのように成長していくのでしょうか。

この小説と同様に

思春期真っ只中の皆さんの心も日々成長していきます。

悩んだり傷ついたりすることもあるとは思いますが

それらを乗り越えていくことで

深みのある心豊かな人間になれるのではないでしょうか。

 

私たちも

思春期の皆さんの心に寄り添い

支える存在でありたいと思います。